道新連載④

北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年6月10日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ④「種豆まき」
 僕たちの有機菜園がある札幌・丘珠でも、ようやくカッコウの鳴き声が聞かれるようになりました。いよいよ本格的な農作業の「ゴーサイン」です。
 今、仲間たちの種まき作業のメーンは、大豆(枝豆)です。僕も昨年、自家製の無農薬・有機みそをつくろうと、大豆作りにチャレンジしました。
 畑仲間のTさんが毎年冬、「サッポロさとらんど」で開いている「自家製手づくりみそ教室」がきっかけです。毎年、教室への参加を誘われていた僕は、「みそをつくるなら、まずは自家製大豆作りからだ」と、夢と欲を膨らませ、自家製みそ用の大豆作りを始めたのです。
 一昨年までは、枝豆として食べる分だけの大豆を作り、特に問題も無く収穫していました。しかし昨年は、自家製みそ用の大豆作りのため畑の面積を広げ、種をまきっぱなしにしたせいか、さっぱり芽が出ません。どうやら、まいた種が、完全にハトの餌食になってしまったようです。
 他の仲間たちは、種をまいた後、畑に不織布をベタかけしたりして、ばっちり鳥害対策をしていたようです。
 しかし僕は、冷夏のせいもあって、被害に気付くのがすっかり遅れたうえ、その後のケアも後手後手になり、種豆をまき直した時には既に時遅し。予定の3分の1も収穫出来ずに見事に惨敗。結局、いつものように、枝豆として晩酌のお供にする程度の収穫量に終わったのでした。
 そんなこともあり、みその原料は有機農家さんに任せることにして、今年の大豆作りは無理をせずに、一昨年までと同じペットボトルを使った枝豆(茶豆)栽培にしました。
 種豆を3粒ほど並べて土をかけた後、底をカッターナイフで切り取ったペットボトルをかぶせます。この方法だとハトに食べられることもありません。また朝方、気温が上がってくると、ボトルの内部が結露して水分を集める役割もあり、ある程度成長するまでは丘珠名物の強風からも守ってくれるのです。
 この方法でうまく栽培して、来年の種豆を自家採取できるくらいには、収穫したいと思っています。
 一方、枝豆のコンパニオンプランツ(共栄植物)として、マメ科と相性が良いとされるトウモロコシ(イネ科)や、ディル(セリ科)などのハーブを、同じ畝に一緒に種まき・混植しました。
 線香花火のような花を咲かせるディルは、サーモン料理との相性が抜群です。フレッシュな葉だけではなく、種子を乾燥させて、ピクルスやドレッシングなどに使うと、一年中草原の香りを楽しめます。残った種子は、翌年、畑にまきます。
 今年のビールのおつまみは、有機栽培の枝豆と夏野菜のピクルスで決まりー。今から夏の収穫が楽しみです。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
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枝豆の種まき中。種豆に土をかけた後、底を切り取ったペットボトルをかぶせていく。
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これで、鳥、風対策万全。